上部消化管内視鏡検査
(胃カメラ検査)
上部消化管内視鏡検査は、食道・胃・十二指腸を検査し、逆流性食道炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの診断、胃癌や食道癌などの早期発見を目的とします。胃カメラ検査をする以上はヘリコバクター・ピロリ菌感染胃炎の有無(現感染・既感染・未感染)の判断が重要です。胃粘膜の状態の評価には特に注意して検査しております。
内視鏡専門医として精度の高い苦痛の少ない内視鏡検査を心がけております。
はじめて検査を受ける方、以前に苦しい思いをされた方など、ぜひ一度当院にお越し下さい。
内視鏡検査設備
最新のレーザー内視鏡システム・
経鼻スコープを導入
2018年3月に最新のハイエンド内視鏡システム 富士フィルムメディカル社製 LASEREO 7000シリーズに更新。
BLI (Blue Laser Imaging)画像、LCI (Linked Color Imaging)画像という2つの特殊光観察と、操作性の向上した細径ファイバースコープで検査しております。食道癌、胃癌の発見、ピロリ菌感染胃炎の詳細な評価など診断能力がさらに向上しています。
細径ファイバースコープは、経鼻挿入はもちろん、経口挿入時にも苦痛を軽減出来ます。
鎮静剤を使用しての検査についてもご相談に乗っています。
初めて胃カメラを受けられる方、過去の胃カメラ検査が辛かった方など、是非当院にご相談下さい。
内視鏡洗浄消毒装置
内視鏡の洗浄・消毒は、日本消化器内視鏡学会の定めるガイドラインを遵守して、
専用の自動洗浄機によるスコープの洗浄・消毒を実施しております。
組織検査(生検)に使用する鉗子、注水や色素散布に使用するシリンジ、麻酔薬スプレーのノズルにいたるまで、単回使用のディスポ- サブル製品を使用しています。
内視鏡検査について
鎮静剤を使用しての検査について
鎮静剤とは、意識のレベルを少し下げてウトウトするような状態にする薬です。
緊張を緩和し、苦痛の自覚を減らします。
経鼻挿入可能な細径で柔らかいファイバースコープの使用により、経鼻・経口にかかわらず苦痛の少ない検査が出来るようになりました。
それでも、恐怖感や緊張が強くて苦手という患者さんもいらっしゃいます。
ご年齢や基礎疾患、授乳中などの理由で使用出来ない場合もありますので、
鎮静剤使用しての検査ご希望の方は、事前の診察時などに医師にご相談ください。
内視鏡検査の間隔について
よくあるご質問のひとつですが、胃カメラ検査を受ける間隔について。
一番大切なことは、ピロリ菌除菌後も定期的な胃カメラ検査を受けて下さいということ。また、ピロリ菌陰性の胃粘膜からの胃癌発見も少なからずあります。
自覚症状があれば、その時点でご受診いただき医師にご相談下さい。
1年以内に当院もしくは他の医療機関で検査をされていても、
再度検査をお勧めする場合もあります。
胃癌の早期発見を目指した胃カメラ検査としての適切な検査間隔については、
その方の胃粘膜の状態とピロリ菌感染確認・除菌の有無・胃炎の状態(胃炎の拡がり・鳥肌粘膜・腸上皮化成など)・胃癌の家族歴(両親や兄弟が胃癌など)といった複数の情報から判断することが望ましいです。
除菌後は、逐年検査(1年1回の検査)をお勧めしています。
実際、除菌後数年以内に早期胃癌が発見されるケースは少なくありません。
除菌後、胃の調子が良くなって、胃カメラ検査がご無沙汰になってしまった方も少なくありませんが、定期的な検査を心がけて下さい。
胃カメラ検査を過去に受けていてピロリ菌はいないと言われたので、胃カメラ検査は当分は受けなくて良いと思っていらっしゃる方。
その場合は、ピロリ菌未感染と判断した根拠と判定方法に注意が必要です。
特に、胃カメラ検査所見では萎縮性胃炎が軽度で、ピロリ菌感染確認として胃粘膜採取と迅速ウレアーゼ検査で陰性と判断されている方で、数年後に胃カメラ検査をした際に萎縮性胃炎を疑い、尿素呼気試験や血清ヘリコバクター・ピロリ抗体で確認すると陽性と診断される患者さんが散見されます。粘膜採取での検査は、陽性の迅速な確認、得られたサンプルからピロリ菌の培養による薬剤感受性の検討という点では利点がありますが、感染がないことの診断には適しているとは言い難いです。
いずれにせよ、これまでの検査・治療歴などを詳細に問診し、胃カメラ検査時には、胃粘膜の状態(色の変化、凹凸など)を観察するため、色調強調観察(Image-Enhanced Endoscopy)を搭載した高性能な内視鏡システムを用い、粘膜表面への色素散布(インジゴカルミンという青い色素)などを併用した丁寧な内視鏡観察を心掛けるということが大切だと考えております。これに加えて、各種のピロリ菌検査のデータを総合的に判定して、その方の胃癌リスクを念頭においた胃カメラ検査間隔を考えさせていただきます。
上部消化管内視鏡検査
(胃カメラ検査)の流れ
検査前日(検査前日の注意事項)
- 夕食は軽めに
- 夜10時以降は飲食禁止
- 水・白湯は飲んでOK
- 常用薬の内服は可
検査当日
- 水・白湯以外の飲み物は、控えてください。
- 高血圧の薬などは朝7時までに服用してください。絶食になるので糖尿病の薬は中止してください。
- アクセサリー類は身に着けないようにお願いします。
- 顔色など観察しますので、お化粧は控えめに、口紅はお控えください。
検査室での検査の流れ
- 胃内の泡を消す液体を飲みます。
- 鼻の通りを良くする薬(血管収縮剤)を両方の鼻腔に噴霧します。
- 通りの良い方の鼻腔を決めて、局所麻酔薬を3 回に分けて注入します。
- 麻酔薬を塗布した柔らかいスティックを挿入します。
- 準備完了です。
※検査開始直前に局所麻酔薬スプレー(アルコール含有のため、アルコール過敏の方には使用しません)で、
のどの麻酔を追加する場合があります。
検査中
検査(胃カメラが入っている時間)は、およそ10 分くらいです。
病変があり詳細な観察を要する時、組織検査が必要な時は少し長くかかります。
経鼻・経口に限らず、力を抜くのが楽な検査の秘訣です。
ポイントは肩と舌の力を抜くことです。
検査が始まったら、咳や咳払い、つばを飲み込まないようにしましょう。
咳が出そうになった時は、ゆっくり深呼吸をすると我慢しやすいです。
検査当日の流れについては、以下のサイトもご参照下さい。
検査後( 検査結果説明)
当日、検査終了後、診察室で撮影した画像を見ながら検査結果を聞いていただきます。
組織検査を行った場合には、結果の判明する10 日後以降に再診いただきます。
検査当日の食事開始時間や注意点については、検査終了後に説明させていただきます。
上部消化管内視鏡検査
(胃カメラ検査)費用 (健康保険3割負担の方)
胃内視鏡(検査のみ) | 約5,000円 |
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組織検査(1~2臓器) | 約4,000円~6,000円 |
合計 | 約10,000円~14,000円 |
心窩部痛・背部痛の精査として受診された場合、胃カメラ検査、腹部超音波検査、血液検査など施行し、当日に治療薬の処方などすることもあります。自己負担率3割の場合の自己負担金の合計金額としては10,000円~14,000円(組織検査ありの場合)くらいを目安にしていただければ良いかと思います。
各種書類ダウンロード
事前に同意書・問診表・説明書などをダウンロードして印刷することができます。
必要項目をご記入後、当院までお持ちください。